少子高齢化が急速に進み、どの業界でも人手不足が慢性化しています。国土交通省が2017年3月に発表した「建設産業をめぐる現状と課題」(※)をみると、2017年平均の建設業就業者数は498万人。ピーク時の1997年平均と比較すると約27%も減少しています。
就業年齢層でみると、55歳以上が約34%であるのに対し、29歳以下は約11%。若手職人の人手不足が顕著な状態です。「肉体労働・汚れ作業等が多い」「危険作業や事故が多い」などのネガティブなイメージは、型枠業界の中にもあると言えます。
型枠業界では、従事者が少ないだけでなく、年齢層の高い熟練工に施工を頼らざるを得ない状況があります。型枠工事に携わる職人は、型枠専門職人、型枠大工などと呼ばれ、型枠の加工や施工に精通していることが求められます。
型枠工事は、建造物を造るうえで非常に重要な工程のひとつであり、精密な技術が必要です。数多くの現場で経験を積み、職人の技や勘が仕上がりを左右することも少なくありません。
型枠工事には、建設物の種類や形状はもちろん、温度や湿度などの作業環境、作業日程などを考慮して最適な施工を見極める能力が必要とされます。型枠工事は建設物の耐久性だけでなく見栄えの良さも左右する重要な工程であるため、熟練度による品質のばらつきが生じることも少なくありません。
外壁、柱、梁、内壁、床用などさまざまな型枠の種類があり、建物の規模や用途に応じて、多彩な型枠技術に精通していることが条件となります。
型枠工事には経験や技術の積み重ねが必要であるため、若手の人材育成が欠かせません。型枠メーカーの中には、積極的に新人を採用して人材育成を図ったり、新人だけでなく中堅のスキルアップを目的に熟練工とのバディ制度を導入したりしている会社もあります。
一方、熟練の技術を必要としないシステム型枠を導入することにより、経験や技術の差を埋めることが可能です。組立や解体が容易なシステム型枠では、仕上がりの品質にばらつきが生じることもありません。
大きく3つに大分される型枠の素材ごとに、おすすめのメーカーをご紹介しています。
・一般的に広く使用されている木製合板
・残材を気にしなくてよいと近年注目の樹脂製
・インフラ土木などでも活躍している鋼製