建設工事の中でも重要な工程である「型枠工事」は、費用が構造や条件によって大きく変動します。住宅基礎と中高層RC躯体では施工性や必要な支保工の規模が異なり、単価の水準も大きく違います。
見積もりでは「材工一式」か「労務のみ」かの区別が不可欠であり、労務単価や資材市況の動向も相場判断に直結します。本記事では、型枠工事の相場観と市場での適用単位を第三者視点で整理し、価格決定の背景や影響要因を解説します。
型枠工事の費用は、住宅基礎と中高層RC躯体で性格が異なり、相場にも差が生じます。住宅基礎では比較的シンプルな形状の施工が多いとされますが、片面型枠の場合には支保工やつっかえの設置が必要となり、作業工程が増える傾向があります。
RC躯体では、階高や梁・柱の規模、仕上げ等級の有無、開口部や埋込み金物の数などが単価を左右します。階高が上がれば支保工の段数や存置日数が増し、資材と労務が増加するため単価は上振れしやすい傾向にあります。このように、構造や施工条件に応じて相場は大きく変動します。
型枠工事では、相場比較にあたり「材工一式」と「労務のみ」の区別が重要です。材工一式はせき板や支保工材、消耗材、運搬・処分費を含めた単価で、一般的に木製型枠で1平米あたり1万円台〜3万円程度、難易度が高い場合や鉄製型枠は20,000円台〜50,000円程度が目安。
一方、労務のみは人件費中心で、1平米あたり7,000~13,000円程度とされています。公共工事の労務単価でも、型枠工の日額は全国平均で30,214円/日(2025年3月適用)に引き上げられており、労務費上昇が全体の相場に影響を与えています。
型枠工事の単価は、労務費・材料費・雑費・諸経費・法定福利費といった要素で成り立っています。とくに法定福利費は健康保険や厚生年金、雇用保険の事業主負担分として算定し、見積内訳に明示することが求められます。
国土交通省や業界団体は標準的な見積書式や内訳例を公開し、労務費や福利費の根拠を明確化することを推奨しています。こうした標準化により、施工条件や内訳を揃えて比較できる体制が整えられつつあり、実務では相見積の妥当性を評価する際の基準となっているのです。
単価が変動する代表的な要因は、仕上げ等級の指定や形状の複雑さ、階高の高さ、片面型枠の有無などです。仕上げ要求が高ければ、精度確保のために良質なせき板や入念な施工が必要となり、コストが増大する傾向に。
階高が高くなると、支保工の段数や存置日数が増える傾向があり、資材や労務費が増大しやすくなります。片面型枠では、両面型枠と比較して支保工の補強(根がらみや水平つなぎなど)がより多く必要となります。
また、施工数量が少なく点在する場合は、段取り回数が増えることで作業効率が低下し、結果として単価に影響する可能性があります。
型枠工事の相場は地域や時期によっても左右されます。2025年3月に公表された公共工事設計労務単価では、型枠工の全国平均日額は30,214円(※)に達しました。
さらに、資材価格も為替や産地事情に影響を受け、木製型枠用合板は円安や原木価格の高騰により上昇傾向にあります。
一方で、省人化や効率化を目的に鋼製・アルミ製のメタルフォームが普及し始めており、労務不足下における相場抑制の手段として活用が進んでいます。こうした動向を踏まえ、地域別の単価や資材市況を確認することが重要です。
大きく3つに大分される型枠の素材ごとに、おすすめのメーカーをご紹介しています。
・一般的に広く使用されている木製合板
・残材を気にしなくてよいと近年注目の樹脂製
・インフラ土木などでも活躍している鋼製
引用元:三基型枠工業
http://www.sankikatawaku.co.jp/
引用元:株式会社フォービル公式HP
https://kwa5ykjyax.lp-essence.com/
引用元:戸田工業株式会社公式HP
https://www.toda-mold.co.jp/