型枠が転用できれば買替の回数を減らすことができ、型枠施工コストを削減することができます。なかでもシステム型枠は組立や解体も短時間で施工でき、作業効率の向上が可能となるため、省人化、省力化、工期短縮などによりトータルコストを抑えることも可能です。
システム型枠の中には、何百回、何年にもわたって転用できるタイプもあるため、同一形状で転用回数を増やすことにより、大幅なコストダウンにつながります。
木製型枠は、柔らかくて加工がしやすいため曲面を有する構造物の型枠として活用されることが多いものです。一般的には安価であることも魅力です。しかし、アルカリに弱く耐久性がそれほど高くないため、転用による腐食やたわみにより、コンクリート面の仕上がりに影響が及ぶこともあります。
着色や変色、硬化不良などの欠陥をもたらすことも多く、合成樹脂加工などの表面処理加工を施す必要も。標準的な転用回数は多くても10回以下程度と言えるでしょう。
金属型枠には、銅製やアルミニウム製など、素材によって複数の種類があります。剛性や耐久性、仕上がり精度や水密性などに優れた性能を保有。一方で、アルミニウムを除いて、一般的に重量が重く加工が難しく、錆が出やすいためコンクリート面の仕上がりに影響を及ぼすというデメリットもあります。
錆によりコンクリートが膨張破壊することもあるため、転用を繰り返すと構造物自体に影響を及ぼすことも。標準的な転用回数は30~50回程度と言えるでしょう。
型枠の転用は、「加工→組立→コンクリート打設→解体→整備」のサイクルを何回実施できるかで決まります。転用回数を増やすための重要なポイントは、いかに型枠に傷をつけないか、適切なメンテナンスを実施するかです。
傷みが生じる解体作業での丁寧な作業とともに、使用後のメンテナンスで腐食や錆をできるだけ発生させないことが大切です。プラスチック型枠や錆びにくい素材を使用した鋼製型枠であれば、転用回数を大幅に増やすことができます。
大きく3つに大分される型枠の素材ごとに、おすすめのメーカーをご紹介しています。
・一般的に広く使用されている木製合板
・残材を気にしなくてよいと近年注目の樹脂製
・インフラ土木などでも活躍している鋼製