残存型枠は施工の省力化や人手不足対策として活用が進んでいますが、すべての現場に適しているわけではありません。導入前に知っておくべきデメリットと、代替案としてシステム型枠の有効性を紹介します。
残存型枠はコンクリートにそのまま埋め込まれる構造であるため、打設後に内部の状態を確認することが難しくなります。万が一、構造内部に気泡や充填不良といった不具合が生じていたとしても、通常のように型枠を取り外して点検することができないため、問題の発見や是正が後手に回る可能性があります。品質や耐久性を確保するうえで看過できない懸念材料となります。
残存型枠には樹脂や金属など耐久性の高い素材が用いられることが多く、再利用可能な型枠に比べて材料費が割高になる傾向があります。さらに、施工現場の条件によっては標準的な型枠が適合せず、特注品の手配が必要になるケースも存在します。初期想定を上回るコストが発生し、結果的に採算が合わないという判断に至ることもあるでしょう。経済性の面でも十分な検討が求められます。
システム型枠は、あらかじめ脱型性に優れた構造設計が施されており、従来の型枠と比較して解体作業が格段に効率化されます。とくに型枠の取り外しや清掃、搬出といった後工程が省略または簡略化されるため、現場の工数を大幅に削減できます。限られた作業員でも円滑な工事進行が可能となり、慢性的な人手不足に悩む建設現場では大きな助けとなるはずです。
システム型枠は再利用を前提として設計されているため、1回限りの使用に終わることがありません。長期的な運用により初期コストを回収でき、結果としてトータルコストの抑制が期待されます。また、精密な制度設計に基づいた型枠は寸法精度にも優れており、仕上がりのばらつきを最小限に抑えることが可能です。安定した施工体制の構築にもつながります。
残存型枠は特定の施工条件下においては非常に有効であり、とくに再利用が難しい箇所や耐久性を重視した構造部などでは重宝されます。しかしながら、すべての現場で同様にメリットが得られるとは限りません。施工規模や工期、要求される品質水準などによっては、別の工法の方が適しているケースも存在します。システム型枠やその他の工法との併用を検討するなど、柔軟な判断が求められます。
型枠の選定は単なる部材の選び方ではなく、現場の課題解決や将来的な施工戦略と密接に関係する重要な意思決定です。短期的な費用や納期だけでなく、中長期的に見た人材確保や品質の安定、さらには環境対応といった観点を踏まえて、最適な型枠システムを導入することが求められます。特に、今後ますます深刻化するであろう人手不足に備える意味でも、省力化に寄与する型枠工法の検討は避けて通れない課題となるでしょう。
大きく3つに大分される型枠の素材ごとに、おすすめのメーカーをご紹介しています。
・一般的に広く使用されている木製合板
・残材を気にしなくてよいと近年注目の樹脂製
・インフラ土木などでも活躍している鋼製
引用元:三基型枠工業
http://www.sankikatawaku.co.jp/
引用元:株式会社フォービル公式HP
https://kwa5ykjyax.lp-essence.com/
引用元:戸田工業株式会社公式HP
https://www.toda-mold.co.jp/