型枠工事は、建物の強度や耐震性を左右する基礎をつくるために欠かせない工事です。建物それぞれに適した型枠設計は異なり、とても重要な工程です。鉄筋コンクリートの建物を建てる場合は一般的な工事の方法で、大きな建物はもちろんのこと、一般住宅の基礎工事でも型枠工事は行われています。
ここでは型枠工事の概要・流れを紹介します。
型枠工事は、加工された木板やベニヤ板などを使用して型枠を作り、その中にコンクリートを流し込んで成型をする工事です。鉄筋コンクリートの建物を建てる際に行われます。一般的には、型枠大工と呼ばれる、型枠工事を専門とする職人が施工します。
建設物の品質にかかわる工事であるため、業界内では「垂直精度が±3mm以内」を許容範囲としています。それを超えると建設物に歪みが発生して悪影響が出るため、職人には高い水準の技術・経験が問われる工事です。
施工図を確認し、コンクリートを打設する柱・梁・床・壁などどの寸法や形状を拾い出す作業です。加工図を作成して、必要な資材の数量を発注します。
拾い出しの作業で発注した部材を使用し、加工材を作成する作業です。加工材にはベニヤ板や桟木などが使用されます。
現場で実際に型枠を設置する位置に印をつける作業です。施工を行うにあたり、あらかじめ印をつけておくことで無駄やミスをなくします。
墨出しでつけた印を基に、加工材やパネルを建て込んでいく作業です。建て込んだ型枠がそのまま建物の形となるため、とても慎重に行わなければいけない作業の1つです。水平器を使用しながら、垂直精度に問題はないか何度も確かめながら精度をチェックします。
建て込みが終わった型枠に、フォームタイや単管パイプを使いながら形を固定していく作業です。コンクリートを打設する際、型枠の内側から外側に向かって圧力がかかります。型枠がしっかり締め固められていないと型枠に歪みが発生してしまうため、建て込みと同様に大切な作業です。
生コンクリートを型枠の中に流し込んでいきます。生コンクリートの打設は、専門の業者が行います。打設中のトラブルや型枠への影響を考え、型枠職人も立ち会いながら細かく点検し、問題がないかどうかを確かめます。
打設が完了し、コンクリートに強度が出たのを確認したら型枠を解体します。一度にすべてを解体することはできないため、日数をかけて少しずつ解体していきます。
型枠解体を終えたら、ついに型枠工事の完了です。仕上げ工事に入るため、型枠工事の汚れが残らないように清掃をします。
型枠工事は、複数の工程があり、そのどの工程もミスは許されません。建物の基礎を決める大事な工事であるため、精度をチェックしながらズレがないように行われています。
型枠にもさまざまな素材のものがあり、それぞれ向いている工事が異なります。適した型枠を見つけ、より確かな精度で工事ができる型枠を見つけましょう。
大きく3つに大分される型枠の素材ごとに、おすすめのメーカーをご紹介しています。
・一般的に広く使用されている木製合板
・残材を気にしなくてよいと近年注目の樹脂製
・インフラ土木などでも活躍している鋼製