型枠工事の最終仕上げとも言える「型枠解体」。単に枠を外すだけの作業と思われがちですが、コンクリートの打ち上がりや躯体品質を決定づける極めて重要な工程です。本記事では、新人教育や現場の安全管理見直しに役立つ、型枠解体の基本手順から適切なタイミング、注意すべきポイントまでを詳しく解説します。
型枠解体(ばらし)とは、コンクリートが所定の強度に達した後、型枠や支保工を取り外す工程です。単なる撤去作業ではなく、建物の品質や資材の再利用率を左右する重要なプロセスです。躯体を傷つけない丁寧さと迅速さが求められ、手順を誤ればひび割れや崩落事故につながるため、専門的な知識と技術が不可欠です。
解体作業前には作業エリアの立入禁止区画を行い、落下物事故を防ぐ安全確保を徹底します。高所作業では足場や安全帯の点検も必須です。既存設備の養生や、バール等の工具点検もこの段階で済ませ、スムーズな作業体制を整えます。安全管理の徹底は労働災害を防ぎ、作業効率の向上にも直結します。
型枠を固定していたチェーンやフォームタイ、単管パイプなどの金物類から順に取り外します。重量があるため、バランスを崩さないよう注意が必要です。外した金物は種類ごとに整理して仮置きし、足元の安全を確保します。効率的な回収は次工程への引き継ぎを円滑にし、現場全体の流れを良くします。
スラブや梁を支える支保工の取り外しは、コンクリート強度の確認が最重要です。構造計算に基づき、一度に全て外さず計画的に進めます。強度が完全に発現するまで一部を残す「存置」を行う場合もあります。無理な解体はスラブのたわみやひび割れの原因となるため、必ず管理者の指示に従います。
壁や柱など垂直方向のパネルは、コンクリートとの隙間にバールを差し込み剥がします。この際、躯体表面や角(出隅)を傷つけないよう細心の注意を払います。壁は比較的早く強度が発現するため先行して解体されます。外したパネルは選別し、付着したコンクリートを除去するケレン作業を行うことで資材寿命を延ばせます。
梁の解体は、側面(梁側)と底面(梁底)で時期が異なります。梁側は壁同様に早く解体できますが、荷重を支える梁底は十分な強度が確認されるまで存置が必要です。高所作業となるため、資材落下の際の手順や合図を徹底し、複数人で連携して安全かつ確実に進めることが求められます。
天井となるスラブ下の型枠は、大引きや根太を外してからせき板を剥がします。頭上作業となるため保護帽や防塵メガネの着用が推奨されます。広範囲で資材量も多いため、下部の安全確認を徹底しつつ、剥がした型枠を順次集積場所へ移動させて作業スペースを確保することが効率化の鍵です。
解体後は資材を種類・サイズ別に分別して搬出します。倉庫での管理も容易になり、業者の組織力が表れる部分です。最後に現場清掃を行い、バリ取りや金物の回収を徹底します。次工程の業者が気持ちよく作業に入れるよう、きれいな状態で引き渡すことが型枠業者としての信頼につながります。
解体時期は建築基準法やJASS 5に基づき、コンクリート材齢や平均気温で厳密に定められています。夏場は硬化が早く期間は短くなりますが、冬場は長く取る必要があります。工期が厳しくとも、規定を守らずに早期解体することは構造体の重大な欠陥を招くため厳禁です。
経過日数に加え、コンクリートの「圧縮強度」が基準値に達しているかも重要です。現場で供試体の強度試験を行い確認します。一般に壁などの垂直部材は強度が低くても解体可能ですが、スラブ等の水平部材は設計基準強度の高い割合が必要となります。数値をクリアし、管理者の承認を得て作業に着手します。
型枠解体は、型枠工事の品質を証明する瞬間であり、次の工程へとバトンをつなぐ大切な役割を担っています。手順を省かず、適正な時期と強度を見極めて行うことが、事故ゼロと高品質な躯体確保への近道です。基本に忠実な作業徹底は、無駄な手直しを防ぎ、結果として利益率の向上にも貢献します。
現場の安全意識を高め、若手職人への技術継承をスムーズに行うためにも、改めて解体作業の重要性を見直してみましょう。
大きく3つに大分される型枠の素材ごとに、おすすめのメーカーをご紹介しています。
・一般的に広く使用されている木製合板
・残材を気にしなくてよいと近年注目の樹脂製
・インフラ土木などでも活躍している鋼製
引用元:三基型枠工業
http://www.sankikatawaku.co.jp/
引用元:株式会社フォービル公式HP
https://kwa5ykjyax.lp-essence.com/
引用元:戸田工業株式会社公式HP
https://www.toda-mold.co.jp/